大津あきらをご存じですか?

1950年2月4日に山口県長門市に生まれ、慶應義塾大学法学部を卒業。
大学時代に1年先輩の「つかこうへい」と出会い、大津あきらが坂本龍一さんと音楽バンドを組んでいたこともあって、つかこうへい劇団の挿入歌をまかされるようになりました。

当時、劇団の俳優で、現在演出家の長谷川康夫さんは「大津あきらは、劇団つかこうへい事務所の音楽監督ともいうべき存在だった。」と言われています。また、大津あきらの親友、風間杜夫さんは、「あきらは、つかこうへいの盟友だ」と言われています。

大学卒業後も音楽活動を続け、1982年中村雅俊さんの名曲「心の色」を作詞し、日本作詞大賞大衆賞を受賞したことで、本格的に作詞活動を始めました。
その後も、高橋真梨子さんの「for you…」を始め、数多く昭和歌謡の作詞を手がけましたが、1997年4月10日、将来を嘱望されながらも、直腸ガンのため、47歳の若さで急逝しました。
現在は、大津あきらの生まれ育った、山口県長門市仙崎の遍照寺に金子みすゞさんとともに眠っています。

大津あきら
大津あきら

天才作詞家 大津あきら

大津あきらが残した日本歌謡界の業績は素晴らしいものがあります。
あきらが作詞家として生きた20数年間の間に、1000作品以上もの詩を残しています。

代表作としては、

  • 中村雅俊「心の色」
  • 高橋真梨子「for you…」
  • 徳永英明「輝きながら…」
  • 尾崎紀世彦 NHKみんなの歌「ふるさとの五月」
  • 杉山清貴「さよならのオーシャン」

その他、アニメ主題歌「仮面ライダー」、「トランスフォーマー」、「新マッハGO GO GO」「CROSS FIGHT!」やCMソングも数多くあります。

120名以上の歌手に歌われた

昭和歌謡の名曲、中村雅俊、高橋真梨子、徳永英明、尾崎紀世彦、杉山清貴以外にも

  • 矢沢永吉
  • 中井貴一
  • 渡辺徹
  • ビートたけし
  • 堺正章
  • 山本譲二
  • 葛城ユキ
  • 萩原健一
  • 吉幾三
  • 近藤真彦
  • 布施明
  • 沢田研二
  • 西城秀樹

など、そうそうたる著名人にも歌われました。

また、作曲家の人たちとも素晴らしい関係を築き、浜圭介、鈴木キサブロー、矢沢永吉といくつものゴールドレコードを受ける楽曲を生み出しました。

つかこうへいの盟友・音楽監督として

大津あきらが47歳の若さで亡くなり、東京で告別式がありました。その時のビデオが残っており、天才演劇家つかこうへいさんが最前列で、ずっと俯いたまま顔を上げずに座っています。
泣いていました。

つかこうへいさんの弔辞も、ほとんど泣き声で聞き取れないほどでした。

日本の近代演劇の革命児として知られる、つかこうへいさん。大学時代からの相棒、大津あきらを失った当時、悲しみに打ちひしがれていたことでしょう。同じつかこうへい劇団の主演女優をしていた、大津あきら夫人の根岸季衣さんと二人の息子さんも想像できないほどの悲しみを抱えていました。

生まれ故郷の同級生が建てた4つの歌碑

わたしたち同級生も、今だに大津あきらと過ごした青春時代が忘れられません。
大津あきらが愛してやまなかった故郷ながとへの想い、それを生きる糧にしながらすばらしい功績を残した彼を、地域の誇り、宝として、語り継ぐことが、わたしたちの役目だと思い、4つの歌碑を建てました。

彼の志を学んだ若者と、彼の詩に励まされながら青春時代を過ごした人たちの、心の糧となるような活動をしていきたいと思っています。